小学校だより 2025年12月

2025.11.28  No.465  校長 山口 旬

ヒーロー主題歌に見る真理

 先月末に日本に激震が走りました。なんとスーパー戦隊シリーズの終了報道。天声人語にまで取り上げられる大事件。昨年度3月号の小学校だよりで書いたとおりわが人生の教科書でもあったので呆然自失です。
 さてその3月号とほぼ同じ内容を中学校の礼拝で話しました。爆上戦隊ブンブンジャーの最終回がすごかった、これぞ隣人愛だという結構強引な内容でしたが、反響はそれなりにあって「うちの子大好きで実は毎週見てハマってました」という先生。果ては「中学の弟から聞きました。先生スーパー戦隊好きなんスか!」という見ず知らずの高校生が訪ねてきて「いっしょにオタク話したいっス、カラオケで歌いましょーよ」と来たものだからこっちもうれしくなりいそいそとカラオケに出かけて参りました。彼とは今やスーパー戦隊終了の嘆き仲間です。 
 この日の掟は「スーパー戦隊主題歌だけ歌う」こと。とりあえず全49作品あり、全曲制覇するには一曲3分としてもОPとEDで300分以上かかります。さすがのオタクもカラオケでスーパー戦隊を歌うことはほとんどなく彼も似たり寄ったり。「友達と行っても誰もわかってくれないからむなしいんスよ」。わかるわかる。私もスーパー戦隊仲間はいないからなー。歌ったらドン引きされるか無視されるか。同好の士とはかくもありがたきものなり。
 しかしヒーロー主題歌というのはやたら音程が高い。だいたい最近の歌手は音域高いから人気が出る。その点昭和の作品は歌手がオジサンなので歌うのが楽。ゴレンジャーやヤマトのささきいさおやマジンガーの水木一郎とか。そしてまた明るくて元気がよすぎる。そりゃヒーローだもの子ども番組だもの。数曲歌うと喉がヒリヒリしてくる。ぜーぜー言いながらこれも知ってるこの曲もまかせなさい現役高校生に負けるわけにはいかんだろこっちは数十年の蓄積があるのじゃと、気合と意地でたまりまくったうんちくをぶちまけます。彼も昭和のおじさんに負けてなるかと若さパワーで必死。テレビ世代の私は1番しか歌えないのにキミはなぜ生まれる数十年前の番組主題歌の2番を知っているのだ。ネット社会おそるべし、YouTube侮るべからず。
 ヒーローものなのでやたら元気のいい歌を2時間歌うともうクタクタだけど気分は爽快。なにが気持ちいいって、このテの歌は世の中の憂いはなく、正義を真面目に叫ぶ歌詞は見ているだけでスカッとするのです。だいたい「愛と勇気の炎を燃やせ(デンジマン)」と歌うのがヒーローの王道。キーワードは夢と希望、未来、友情、光、絆、心。日常会話ではクサすぎて言えないことを、歌だと口にできるのです。それは天下のラブソングも同様こっぱずかしくて口にできないことを歌うのがいいのです。それそれ言ってほしかったのよ言いたかったのよ、と。
 そしてヒーロー主題歌は基本子どもが歌えるようになっているので、意味もわかりやすく人としてまっとうなことしか言わない。正しすぎる歌詞、まるで聖書に書いてあるような言葉がそのまんま出てきます。これにカッチョいいメロディが付いたらもう無敵。正しいことを口に出して言うのは精神衛生にもいいのです。
 ちなみに最近の仮面ライダーシリーズは歌が難解過ぎて聞き取れないし歌えません。現在のライダーはラップで歌詞全く聞き取れないしメロディーもよくわからない。幼稚園児が歌えるわけがない。そこんとこ戦隊ものは頑なに子供がかろうじて歌えるようになっている。わかりやすく正しい道を説く歌詞は大人になっても心に残り、その言葉が人生の指針になることも多い。讃美歌も同じ、口にするだけで神の国に近づいたような気持ちになる。だから礼拝では毎日讃美歌を歌うのです。正しい言葉は自然と心に蓄積していく。だから歌うんなら戦隊ものにかぎる。おすすめはOPならサンバルカン、マジレンジャー、トッキュウジャー、ゴーカイジャー、キラメイジャーあたりがいいこと歌っています。実はEDもバカにできません。次週まで勇気持続のための爽やか曲がズラリ。
 ああ、その主題歌も当分聞けない。願わくば数年後にまたスーパー戦隊が復活することを心から願いつつ。

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