小学校だより 2024年5月

2024.4.30  No.446  校長 山口 旬

想像力〈イマジネーション〉を育む

 横須賀学院が大切にしているもの。敬神・愛人。心に愛を育む。
 ところで愛ってなんでしょう。愛を別の言葉で言えますか? 隣人愛っていうけど、つまり隣人愛ってどういうもの? 小学生に聞くと、「好きになること!」っていいます。だいたい。じゃあ隣人愛って誰を好きになることでしょう。対象がはっきりしないなんてすっきりしませんね。
 ひとつの答えは「イマジネーション」です。想像力。私の考える愛とは、想像力です。 見えない相手を感じる心。目の前にいない相手を想う心。 私は宿泊行事で必ず子どもたちに言います。心配する相手を作って帰ってきなさい。心配する人ができたらなら、その旅は素晴らしいものになる。 心配するっていうのは、その場にいない人に対して、大丈夫かな、と心に想うこと。こんなことあんなことおきていないだろうか、と想像するからこそ心配なんです。 それは好きな相手も同じ。恋をした人は四六時中相手のことを想像する。その相手を想う気持ちが愛なんです。高学年にもなるとそろそろ気になる相手ができて、胸の中の赤い実がはじけちゃったりしてるんじゃないですか? そうするとお家に帰ってもそのこのことを目に浮かべるでしょう。それは想像力の力、イマジネーションです。
 私たちが大事にしている隣人愛、それこそがイマジネーションです。献金をするとき、見えない相手をどれだけ想像するでしょう。 いやしてないし。できないし。相手が誰だか知らないし。 それもわかる。想像するにはやはりある程度の経験、ベースとなる実体験がないと難しい。 だからいろいろ視野を広げるんです。たくさん映画を見ましょう。本を読みましょう。美しい絵を見ましょう。素晴らしい音楽を聴きましょう。感情移入して涙を流しましょう。心のイマジネーションがどんどん大きくなります。
 ジョン・レノンも言っております。 “Imagine all the people”と。 イマジネーション、想像力を育んでください。そのために様々な体験をしていきたい。今年度はかつてのような活動が元通りできるようになりました。
 日常をしっかり充実したものにして、想像力を高める体験をたくさんする。
 それが神さまの愛につながっていくのだと信じています。

2024年度

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