実体験を通した学び
情報があふれる現代社会を歩む子どもたちにとって、確かで正しい情報を選び出し、学びに活かすことはとても大切です。そこで正しい情報を選び出すために、もととなる正しい知識が必要です。その知識は、自分で経験してこそ得られるものです。周りの人が言っている、インターネットに載っている、といった第三者からの情報はとても有益である場合が多いですが、その情報が正しいかどうかを判断できるためには、自分が体験して得た情報を基にするしかありません。自分で見て、聴いて、触れて、嗅いで、味わって得た情報こそが、自分の考えのベースとなる確かな情報です。ですから本校は、知識を教え込むという形ではなく、「実体験を通した学び」にこだわり続けているのです。
実体験を通した学びは、日々の教科の学習はもちろんのこと、学校内での体験が難しいものについては、実際にその場所に行って体験したり、その道の専門家を招いて特別講義を受けるなど、多様な形で行われます。さらに全学年で行われる宿泊行事は「自然学校」として、神奈川県では味わえない環境での生活体験に主眼を置いています。現在は、1年生は親元を離れての宿泊体験を目的として一泊。2~3年生は富士山のふもとである朝霧高原で二泊、4~5年生は新潟県上越市で三泊します。特に4年生は雪国の生活を体験できるように1月に実施。5年生は農家の生活を体験できるように9月に実施し、実際に現地のお宅にお邪魔して生活体験をします。6年生は小学校の学びのまとめとして富山県菅山五箇山集落と岐阜県高山市でグループ活動を中心とした四日間を過ごします。
新型コロナウィルスの影響により、しばらく行事の実施が難しい状況が続きましたが、感染対策を講じながら順次再開しています。宿泊行事も再開し、可能な限り「実体験」にこだわりながら取り組んでいます。
(2024年度より江の島で実施予定)
小学生になってから初めての自然学校では、宿泊体験を主な目的としています。親元を離れて集団で寝食を共にし、自分のことを自分で行い、また共に声を掛け合いながら協力し合うことの大切さを学びます。荒崎海岸や油壺マリンパークでは海の生物に触れながら自然のすばらしさも学びます。
富士の裾野の豊かな自然の中、学校の外だからこそできるゆったりとした時間を使って、雄大な自然との触れ合いと、子どもたちの小さな発見を大切にしたプログラムを実施しています。またグループで協力して食事の配膳や就寝の準備をする中で、今後の宿泊行事や集団生活を送るための基礎を培います。
2年生と同じ富士山YMCAに宿泊します。敷地内だけでなく、さらに足を伸ばして雄大な山や森の自然を体感します。生活面では、さらに一人ひとりが役割と責任を持ち、礼拝やキャンプファイヤーなどのプログラムを自分たちで進めていきながら、自主性と協調性を身につけます。
横須賀では体験することのできない雪国で、本物の雪国の生活を体験します。ただ楽しく過ごすのではなく、現地の民家に数名ずつホームステイをして、それぞれの家庭に家族同然に迎え入れて頂きます。雪かきなどの手伝いをし、一緒に食事の支度を整え、食卓を囲む中で交流を深めます。
(2024年度より岩手県久慈市平庭高原で実施予定)
4年自然学校から8ヶ月。再び新潟へ向かいます。雪一色だった景色は、緑の山々に囲まれた農村風景に。田には豊かな稲穂が実り、収穫の時期です。再びホームステイをして、農家の生活を体験します。お米を一緒に収穫し、一粒一粒を大切に扱う中で、感謝して食事をいただく気持ちがさらに育まれます。
今までの学校生活、宿泊や校外学習などの集大成として行う卒業学年の宿泊行事です。地域の歴史や文化を学びます。また、グループごとに事前に調べて相談した計画を元に、市内を散策します。今までのグループ活動で培った経験が生かされます。現地の方々との交流も、貴重なよい思い出となります。