小学校だより 2024年6月

2024.5.31  No.447  校長 山口 旬

涙の力

    ♪涙の数だけ強くなれるよ アスファルトに咲く花のように♪
         ♪負けないで もう少し 最後まで 走り抜けて♪

 大学時代、カラオケ全盛の時によく仲間で歌ったものです。 「TOMORROW」と「負けないで」は平成が生んだ究極の応援歌でしょう。これに「愛は勝つ」「どんなときも」などなど、ある意味クサい歌詞の歌はみんなで歌うと元気が出る。これら名曲が名曲たる所以は、とにかくわかりやすくスッと心に入ってくる歌詞、口にするのが照れくさいほどまっとうで正論な言葉、一度聞いたら忘れないメロディーです。
 先日の運動会では、一人ひとりが本気になって勝利を目指し、勝ってうれしい涙、負けて悔しい涙を流しました。勝って流すうれし涙は、人を幸せにします。負けて流す悔しい涙は、人を強くします。流す涙はいつも無駄ではないのです。 先の歌の歌詞は「涙の数だけ強くなれる」、これが2番の歌詞になると「涙の数だけ強くなろうよ」ともっと積極的になります。涙を流せる人になりましょう。そうすれば心が強くなっていく。
 本校の運動会は、いつでも本気で勝利を目指します。 かつて世間では「勝ち負けにこだわるのはよくない」という風潮が一時期あり、負けた方がかわいそう、徒競走でも仲良く手をつないでみんなでゴール、というニュースがありました。平等に、というスローガンでしたが、そこにはうれし涙も悔し涙もありません。
 本気とは「真剣」です。真剣は竹刀と違い軽い遊び気分で扱うと怪我をします。ですから真剣の反対言葉は「遊び」です。遊び半分で取り組むか、本気=真剣で取り組むか。人は本気になって真剣に取り組むときに、隠れていた力、予想以上の力を発揮します。そして本気になって取り組む姿を見て、私たちは心動かされるのです。
 高学年になると、本気で取り組むことがどんなに素晴らしいかが理解できてきます。だから準備期間の間にどこかで本気スイッチが入ります。本気だからこそあの雄姿を見せることができるのです。その姿を見て、本気で取り組むことがどんなにカッコいいかを知った後輩たちが、来年再来年とその姿を受け継いでくれるのを願っています。

2024年度

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