小学校だより 2024年4月

2024.4.5  No.445  校長 山口 旬

心に愛を育み、愛を実践できる子どもへ

 今年度より小出啓介前校長の後を引き継ぎ、校長一年生として小学校教育に携わらせていただくことになりました。前校長と同様に、皆様のご理解とご協力を宜しくお願いいたします。
 私が本校に奉職して30年、19年間担任を勤め、最後に担任した当時の1年生が先月高校を卒業していきました。これまで河井希充先生、井苅堯子先生、塩田征雄先生、仲井宣雄先生、小出啓介先生の各校長先生の下で勤めて参りました。5人の先生方の下で学び、修業し、様々な取り組みをさせてもらってきました。20年以上続けているバングラデシュとの交流も校長先生たちの理解あってこその取り組みでした。気づけば小学校における最古参のうちの一人として、これまでの小学校の変遷やその魅力、この小学校しか持ち得ぬ価値を誰よりも知る人間となっています。
 これまでの校長先生には、今から思うと、必ず天から授かったその時にしかない使命が与えられていました。私に与えられた使命はなにか、それを日々模索する日々が始まっています。この小学校が大切にしてきたもの、伝えていかなければいけないものを大切にして小学校とともに歩んでいきます。
 横須賀では少子化が進み、かつてのように複数学級が困難な状況になりました。その中で小さな学校だからこそできること、家族のような絆の中で、人を愛し、愛される子どもを育ててまいります。
 説明会や準備登校、保護者の集いなどではいつもお話しすることですが、今の小学生はもう我ら大人の世代とは違う世界を生きています。保護者の皆さんの多くは昭和世代。昭和って令和平成と二つ前の世界です。昭和の人なら二つ前は大正・明治です。価値観が変わって当然です。かつては子どもの人権やジェンダーなどの概念もほとんどありませんでした。ケータイもPCもスマホもなかった。便利になり進化した半面、われら大人が憂う環境はひと昔前に比べてあまりも膨大です。
 教育界では多くの憂いを抱える世の中ですが、それでも子どもたちの本質は変わりません。それは日々学校生活をともにすごす教員がよくわかっています。どんなにカードゲームが流行ろうとも、オンラインゲームにハマろうとも、学校の中ではやはり鬼ごっこやスポーツに興じる、図書館で本を読みたがる。環境は便利になれども、誘惑するアイテムは多けれど、子どもとしての本質は変わりません。授業で多くの体験をして、発見して、新しい世界を知って喜ぶ姿。休み時間に響く子どもたちの歓声が変わらぬうちは、まだまだ世界は捨てたものではありません。
  いま横須賀学院小学校は「小さな学校」になりました。
 小さな学校ゆえの、出来ること出来ないこと、様々あります。
 されど私たちの求める教育は変わりません。
 心に愛を育み、愛を実践できる子どもを育成する。
 そのために具体的に何ができるのか、日々己に問う毎日です。

2024年度

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