9月10日より13日まで、5年生は自然学校に出かけます。3日目、民泊先での満たされた時間を満喫した子どもたちは、別れを惜しみつつ平庭山荘に戻ります。午後は「ラインクライミング」や「畜産体験」に挑戦します。
それぞれの民泊先で朝を迎えた子どもたち。昨日は家の前を流れる川の辺りで遊んだり、畑で採れた野菜を近くの道の駅の直売所に並べに行ったりと、今までしたことのないような経験をたくさんできたようです。
温かいご家族に見守られ、残り少ない民家での時間を惜しむかのように、出発までの時間を楽しみます。
「四日間ありがとうございました!」と元気に挨拶する子どもに「二日間でしょ?」と尋ねるご家族。実は1月にお世話になった日数も加えてのお礼とのこと。1月の出会いと別れ、そして9月の再会と民泊の時間を重ねる中で、子どもたちは家族としての確かな絆を感じ、深められたようです。「また絶対来ます!」と自然に思いが口に出ると、「新幹線の時間を電話してくれれば、駅まで迎えに行くからね。」と温かい言葉をいただく子どもたち。約束したその日を楽しみに、民泊先を出発します。
午後は、ブナ林での「ラインクライミング」から。しっかりと根を張って育つ、太く大きなブナの木にロープをかけ、そのロープを操作しながら自分の力で登っていきます。8m近く登ると、木々の葉や低い木のてっぺんが見えてきます。そこからみる景色に、3年生の時に読んだ「きつつきの商売」を思い出したかな?
はじめは高いところまで登るのが怖いな、と思っていたお友だちも、周りの楽しそうな友だちにつられて登り始めます。森の中をロープに揺られ、今までとは違う視点で自然を感じることができました。
「畜産体験」にも出かけました。この辺りでは、春先から秋口まで牛の放牧が行われています。牛たちは広い牧場で牧草をたくさん食べながら少しずつ移動していきます。
そんな広い牧場に、餌の葉を入れたバケツを持って入る子どもたち。はじめは牛が見当たらず、牧場の中を歩いているうちに茶色い体の牛を見つけます。これこそ、この地域で大切に育てられている「いわて山形村短角牛」。牛たちも子どもたちに気づくと「おいしいご飯をもらえるかな?」と期待してゆっくりとやってきます。
だんだんと近づくにつれて大きさを感じられるようになると、思わず後ずさりしてしまう子どもたち。でも勇気を持って餌のふすまの入ったバケツを近づけてみると、お顔をバケツに入れながら美味しそうに食べ始めます。よく見るととても優しい眼差しの牛さんたち。初めての経験にドキドキしながら、そして牛の息づかいや体温を感じながら、少しずつ餌をあげます。「大きく元気に育ってね!」
さぁ、気づけば今日は、久慈で過ごす最後の夜。残念ながら星空は眺められなかったけれど、たくさんの「はじめて」を経験して心地よく疲れたみたい。消灯と同時に、コテージは静かな寝息が聞こえ始めました。