5年生の社会科では森林の働きや林業について学習しますが、横須賀では林業がほとんど行われていないため、子どもたちにとってイメージしにくい学習内容です。そこで本校では、林業が盛んな地域である静岡県天竜市で林業に従事しておられるフォレストテクニックの吉良達さんにお願いして、毎年特別授業をしていただいています。
はじめに教室で話を伺いました。日本は森林率が68.5%と世界第3位である、という話から始まります。ところが木材自給率はずっと低い状態で、国内にある豊かな資源を利用せずに輸入に頼ってきた、しかしここ数年で自給率が上がり、約40%まで回復してきた、といった現在の日本の森林と木材の利用について学びました。
また、たくさんの写真や動画を見せてもらいながら、林業の作業の様子を学びました。機械化やICT化が林業でも進んでいることが良く分かりました。
午後の授業は、実演です。天竜からスギやヒノキの丸太を何本も持ってきてくださっているので、子どもたちは気に触れて感触を確かめたり、切りたてのヒノキの香りに感動したりと興味津々。持ち上げて重さも感じます。
丸太をのこぎりで切ってみたら、3分弱かかりました。一本切るだけでとても疲れてしまいます。ところがチェーンソーを使うと、2秒もかかりません。あまりの速さに驚くばかり。
そのチェーンソーを持たせてもらいましたが、ずっしりと重い。両手で持つのが精いっぱい。これを自由自在に操ることができるなんて、すごい!
一本の木を伐採する際の作業も見せてもらいました。はじめに木が倒れる方向を計算して受け口を作り、反対側からチェーンソーで切っていきます。最後に差し込んだくさびをたたいていくと、ドシンと木が倒れました。本当なら20m近くある木なのですから、ものすごい音や振動なのでしょうね。
実演してたくさん出たおがくずや、持ってきていただいたかんなくずも、初めて手にする子どもたちには貴重なお土産。最後に一人ひとりヒノキ材をいただき、特別授業は終わりました。子どもたちにとって、森林環境や林業が自分ごととして考えるきっかけができました。吉良さん、どうもありがとうございました。